70年代後半-80代年前半　茶色タグも誇らしげな TNFのフレームバックパック。
カラーはオリーブ色に近いダークグリーングレーです。
内容物の出し入れが容易な全面開閉式のバック。YKKジッパーも大型です。
フレームパックの良いところは、拡張性に富んでいる点、バック自体の変形がない故の背負いやすさと動きやすさ、フレームとバック部を外してメンテナンスのしやすさ、耐久性の高さなど、考え付くアドバンテージは多数あります。
日本の険しい山に本格的に挑むのならスリムな現行のバックパックが向いているのかもしれませんが、フレーム構造故、キャパ以上の荷物の持ち運びが可能になるため、ノンビリと贅沢なキャンプを楽しむためのハイキング・トレッキングや多数の荷物を運搬したい子連れキャンプ、フェスなどの用途には理に適っていると考えます。
8の字アルミニウムフレームとフレキシブルナイロンジョイント（デュポンザイテル）の調整で腰、背中の
自由で独立した動きを妨げず、肩にかかる重量も軽減できるサイドパック付き。
Made in USA 、ほぼ未使用で保管されていた大変希少価値のあるPACKです。

これからもずっと使っていくために・・・
魅力的なフレームパックですが、時間経過と保管環境には適わず、加水分解のため内部コートが劣化していました。
いわゆる匂いとベタツキ、内部コートの剥離などが確認されました。
この、スタイリッシュで機能面でも現代に十分通用する価値あるバックパックを、何としてでも復活させたい、という想いから劣化した内部コートを全て除去する事にしました。

重曹漬け込みの後、地道に柔らかいブラシでコートを剥離。
フレームとバック部を簡単に分離できる構造、という点もこういった作業を実現可能にしてくれました。
手間を惜しまず復活の工程を経て、価値あるバックパックが復活しました。
防水加工に関しては、防水スプレーを塗布しております。防水性能をさらに強めるためにPOLON-Tの塗布など、用途に合ったチョイスはオーナー様自らの手に委ねる事にします。また、内部全面のコートを剥がしたため、僅かに剥離コートのカスが残っている場合があります。
USAビンテージのフレームパックが、匂いやベタツキ、内部の劣化剥離などにさいなまれること無くお使いいただける事は現代では困難です。このような手数を踏むか、保管状況がよほど完璧なアイテムに出会う他ありえません。